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オイルフィルターの交換方法


オイルフィルターの交換方法についてここではご説明いたします。

オイルフィルターの交換は、エンジンオイルの交換手順がベースになります。

オイルフィルターを交換する時は、通常エンジンオイルも同時に交換します。
すなわち、このページではエンジンオイルも同時に交換することを前提にお話ししていきます。



オイルフィルターを交換すると通常のエンジンオイルの交換時よりもエンジンオイルの補給量が
若干多く必要になります。
あらかじめオイルフィルターの交換時に合わせたエンジンオイル量を用意しておきましょう。

また、オイルフィルターは車種によってサイズが異なります
オイルフィルターを取り外すための工具であるオイルフィルターレンチを手に入れる際は、
事前に自分の車のオイルフィルターのサイズを把握した上で手に入れましょう。
今は、全てのサイズに合わせる事ができるオイルフィルターレンチもありますので、
サイズが分からない時はこれでも十分作業が可能です。
このページでは、オイルフィルターのサイズに合わせたオイルフィルターレンチを使用しています。


エンジンオイルを抜き取る前に、1分程度でも良いのでエンジンを暖機しておきましょう。
エンジンオイルの粘度が下がり、抜き取り時間が短くなります。(暖機しすぎは火傷するので注意)
暖機が終了したら必ずエンジンを停止し、作業を始めます。


廃油ポイが大きければ、エンジンオイルを抜き取ると同時にオイルフィルターを取り外す事も可能
ですが、この時に使用している廃油ポイの大きさでは同時に作業するとこぼれてしまう可能性があった
ため、あえて2つの作業を分けております。

◆用意するもの◆(一例です)

廃油ポイ(エンジンオイル廃棄用) ⇒ホームセンターで手に入ります。

廃油ポイ

新しいオイルフィルター

オイルフィルターレンチ(数種類サイズがあるので、事前に確認しておきましょう)

新しいエンジンオイル(オイルフィルター交換時用)

新しいドレンワッシャ

・ドレンボルトを緩めるための工具(メガネレンチなど)

ジャッキリジッドラックうまとも言います)

パーツクリーナー(オイルフィルター取り外し時エンジンオイルがエンジンに付着する為)


それでは作業の開始です。


1.ボンネットを開け、フィラキャップを取り外します


フィラキャップ

念のためリンクを貼っておきます⇒ボンネットの開け方(新しいウインドウで開きます)

フィラキャップを取り外す事で、エンジンオイルの抜けが良くなります。


2.ジャッキアップ後、タイヤをクルマの下に入れる


ジャッキアップ後、タイヤをクルマの下へ!

クルマをジャッキアップする前に、タイヤのホイールナットを緩めておきます。

⇒これは、クルマの車重がかかっている状態のほうがホイールナットを緩めやすいからです。
⇒タイヤは左右どちらでも構いません。あくまでも安全確保が目的です。


ホイールナットを緩めたらジャッキアップしてください。

ジャッキアップ後、タイヤを取り外して写真のようにクルマの下へ入れます。


3.オイルパンの下に、開封した廃油ポイを置く。


エンジンオイル抜き取り準備

オイルパンはエンジンの最下部に位置しています。
ドレンボルトが付いていますので、オイルパンという部品を知らなくてもすぐに認識できます。
ドレンボルトはワッシャが挟まっているボルトなので、見ればすぐに認識できるはずです。

オイルパンへの外傷を防止するため、カバー類が付いている場合もありますが、エンジンオイル交換の
作業性向上の観点から、ドレンボルトは通常カバーで覆われていません。


ドレンボルトを緩めるとエンジンオイルは勢い良く出てきます。
それを見越して廃油ポイを置く位置を定めましょう。


4.メガネレンチ等でオイルパンに付いているドレンボルトを緩める


ドレンボルト

ドレンボルトは一度緩めれば手で簡単に回ります。


5.ドレンボルトを取り外す


エンジンオイル抜き取り

慣れてくればドレンボルトを下の廃油ポイに落とさずに取り外す事ができますが、失敗すれば
手を無駄に汚したり加熱したエンジンオイルで火傷する可能性がありますので、自信が無い方は
思い切ってドレンボルトを緩めきり、下の廃油ポイへ落としてしまいましょう。
あとで廃油ポイに落下したドレンボルトを取り出せば問題ありません。

当然ですが、ドレンボルトが外れた時点でエンジンオイルが勢い良く出てきます
エンジンオイルの落下点が廃油ポイからずれている場合は、急いで位置をずらしましょう。


6.エンジンオイルがほとんど出なくなるまで待ち、仮止めをする


エンジンオイルが完全に出なくなるまで待っても良いのですが、かなりしつこく出てきます。
軽くポタポタとしか出なくなればもうOKと判断しても悪い影響はありません。

ほとんど出てこなくなったら、キッチンペーパーなどでドレンボルトの穴を仮止めします。
⇒ドレンボルトで仮止めしても、もちろんOKですよ♪


7.オイルフィルターを取り外す


オイルフィルターを取り外す

オイルフィルターを緩める前に、廃油ポイをオイルフィルターの真下に移動させましょう。
オイルフィルターを取り外すと、大量のエンジンオイルがこぼれます。

オイルフィルターは、一度緩むと後は簡単に手でも回ります。
オイルフィルターが固着していると非常に固いですので、ケガをしないように注意です。


8.パーツクリーナーでエンジンオイルを取り除く


取り付け面周辺を清掃する

オイルフィルターを取り外す事によって多くのエンジンオイルがエンジンに付着します。
エンジンオイルが付着した状態で走行すると、エンジンルームから白煙が出る原因となります。
当然室内もこげたオイルの匂いが充満します。
最悪の場合、発火の可能性がありますのでしっかりと取り除きましょう。

ここでエンジンオイルをきれいに取り除く事で、取り付け後のエンジンオイル漏れの有無を確認
できるようになります。

また、ゴミなどが取り付け面に付着しているとエンジンオイル漏れの原因となりますのできれいに
清掃しておきます。


オイルフィルターを取り外すと、オイルフィルターのO-リング(パッキン)がエンジン側に残る場合があります。
O-リングが残った状態で新しいオイルフィルターを取り付けてしまうと、エンジンオイル漏れの原因
となりますので注意しましょう。


9.新しいオイルフィルターのO-リングに少量のエンジンオイルを塗布する


エンジンオイルを少量塗布する

オイルフィルターの気密性を確保するため、オイルフィルターのO-リング部に少量のエンジンオイルを
塗布しておきます。

これを忘れるだけで、高確率でエンジンオイル漏れが発生します。

忘れずに!


10.オイルフィルターを取り付ける


オイルフィルターを取り付ける

オイルフィルターを取り付ける際、規定トルクという物が必要となります。

規定トルクとは決められた締め付け力の事です。

締めすぎはオイルフィルターの変形、次回に取り外す際に取り外せないなどの問題が発生します。
トルク不足は、当然ですがエンジンオイル漏れやオイルフィルターの脱落が発生します。

多くのオイルフィルターには、本体に規定トルクが記載されています。

とは言っても、トルクレンチが入りにくい狭い作業である可能性が高いので、トルクレンチを使用しなくても
規定トルクを管理できる締め付け方も記載されています。

それは角度での管理です。

オイルフィルターを手で回し、O-リングがエンジンと接触した時点から何度(何回転)回すという物です。
この接触した時点のことをを座面が当たった時点と表現します。

当然ですが、どこでエンジンに座面が当たったかを覚えておき、その位置から指定された角度分だけ
オイルフィルターを締め付けるのです。

ちなみに写真のオイルフィルターには、

・10〜14N.M

・O-リング(パッキン)着座後、3/4回転


と記載されていました。


11.廃油ポイからドレンボルトを取り出す


ドレンボルトを取り出す

廃油ポイの中に落としたドレンボルトを探し、取り出します。
廃油ポイの役目は終了していますので、廃油ポイをクルマの外に出して探しましょう。


12.ドレンボルトに新しいドレンワッシャを取り付ける


新しいドレンワッシャ

ドレンワッシャは基本的に再利用禁止です。
ドレンワッシャは、金属を押しつぶす事でエンジンオイルが漏れてくるのを防ぐ役割をしているため、
一度使用したらほとんど押し潰れなくなっていますので役目を果たす事ができません。

ここはけちらずに新品に交換した方が無難です。

落下したドレンボルトにドレンワッシャが付いていない場合は、廃油ポイの中に落ちている場合がほとんどです。
それでも見当たらない場合は、オイルパンに付着していないか確認しておきましょう。

古いドレンワッシャが付着していることに気付かずにドレンボルトを取り付けてしまうと、エンジンオイル
漏れの原因となってしまいますので要注意です。

噂で聞いたのですが、作業量をケチる為にドレンワッシャを交換せずにオイル交換をする悪徳業者がいる
みたいですね。
交換時にどれだけワッシャを探しても見当たらない場合は、そういった可能性を否定できない事になります(怒)


13.オイルパンにドレンボルト(新しいドレンワッシャ付き)を取り付ける





キッチンペーパーなどをドレンボルトの代わりに詰めた場合はキッチンペーパーを取り外します。
しかし、キッチンペーパーを取り外した瞬間にエンジンオイルがチョロチョロと出てくる可能性が
あります
ので、取り外す前に新しいキッチンペーパーなどを下に添えながら外しましょう。
⇒廃油ポイを下に持ってくるのもOKですよ♪

まずはドレンボルトを手で締まる所まで締めこみます。


14.ドレンボルトを締め付ける

メガネレンチなどでドレンボルトを締め付けます。

⇒本来はトルクレンチと呼ばれる、ボルトの締め付け力を測る工具で締めるのが一番正しい締め方
ですが、プライベートで所有している方はなかなかいません。
持っている方はきっとこのページを参考にして作業しないで良いほどのスキルをお持ちのはずです(笑)
従いまして、ここではトルクレンチを使用した締め付け方は説明しません。

ボルトを締め付ける際、とにかく思いっきり締めていれば良いとお考えの方がいらっしゃるようですが、
それは大間違いです。
サスペンションなどの強い部品通しを締め付ける場合であれば簡単に部品が壊れませんが、今回の主役
であるオイルパンは非常に柔らかい部品です。
つまり、強く締め付けすぎるとオイルパン自体が壊れてしまう事があります…。(よく聞く事象です)

ドレンボルト&ワッシャは基本的にオイルを漏らさない事が一番の役目です。
ここを一番重視して締め付けましょう。

また、ドレンボルトは柔らかいドレンワッシャを挟んで締め付けるため、締め付けた感触が少々柔らかく感じます。
だからといって強く締めすぎてはいけません。

極論を言えば、「緩まなければ良い」のです。

ほどほどに締めましょうね。


15.ドレンボルト周辺をパーツクリーナーなどで清掃する


これは、エンジンオイルを注入後にエンジンオイル漏れが無いか確認しやすくするために行います。
交換後に漏れて付いた物なのか元々付いていた物なのかが確認できなければ困るからです。


16.クルマの下に忘れ物が無いか最終確認をし、ジャッキを降ろす


安全第一で作業をおこないましょう。
クルマの下に工具などの忘れ物がないかしっかりとチェックしましょうね。


13.新しいエンジンオイルを注入口から注ぎ込む


エンジンオイルを注ぎ込む

個々のクルマに合わせたエンジンオイルの規定量を入れましょう。
規定量が分からない場合は、「取扱説明書」や「メンテナンスノート」を参考にしましょう。
オイルフィルターを交換した時の補給量を入れましょうね。

写真のような「じょうご」があれば、気を使うことなく簡単にエンジンオイルを注入する事ができます。


14.オイルレベルゲージでエンジンオイル量を確認する


教習所でも習う事ですが、思い出せない方・自信が無い方はこちらへどうぞ。

オイルレベルゲージの見方(新しいウインドウで開きます)

基本的に、エンジンオイルの入れすぎは抜き取る事が困難です。
規定量付近になれば、面倒でもオイルレベルゲージをこまめに確認しながら徐々にエンジンオイルを
注いでいきましょう。

とは言ってもオイルフィルターを交換しているので、エンジン始動後にオイルフィルター内にエンジンオイルが
充満し、オイルレベルが若干下がります。



15.オイルフィラキャップを取り付ける


フィラキャップ

これを取り付けないとエンジンは不調になります。
さらにエンジンオイルがエンジンルーム内に激しく飛び散ります(キャップ破損により若干経験済み…)
忘れないようにしましょうね。

また、ハンマーなどで強く叩いて締め付ける必要はありません。
オイルフィラキャップに亀裂が入り、エンジンの振動により気付かないうちに破損する事があります。
緩まないように手でギュ〜っと締めればOKです。(軽くコンコンと工具でたたく位なら大丈夫でしょう)


16.エンジンを始動する


エンジンを始動する前に、もう一度エンジンルーム内に忘れ物が無いか確認しましょう。
回転部分などに工具が巻き込まれると非常に危険です。
エンジンを早くかけたい衝動を抑え、ここは冷静に確認してください。

始動しても、いきなりエンジンを高回転まで回したり走り出すことは控えましょう。
まだ作業は完了していません。


17.暖機後エンジンを停止し、1分ほど待って再度オイルレベルゲージを確認する


これはエンジンオイルがエンジン内にしっかりと行き渡り、最終的に戻ってきたエンジンオイルが
規定量に達しているか確認する必要があるからです。

オイルフィルターにエンジンオイルが行き渡ると、思った以上にオイルレベルが低くなります。

エンジンオイルが不足していれば補充しましょう。


18.全てがOKであれば作業完了です


以上でオイルフィルターの交換作業は終了です。

念のため、エンジンオイルが漏れていないかクルマの下側を覗いておきましょう。
不安であれば、もう一度クルマをジャッキアップして確認すると良いでしょう。

慣れてくれば15分ほどで作業が完了するようになります。




関連リンク


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ジャッキアップの方法

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